天之常立神（あめのとこたちのかみ）は、日本神話における天地開闢の際に現れた五柱の別天津神の一柱です。その名は「天の常に立つ神」を意味し、天上界の永遠性や不変性を象徴しています。この神は独神として現れた後、すぐに身を隠したとされ、その詳細な物語は多く語られていません。
お祀りされている神社
天之常立神を主祭神として祀る神社は数少ないですが、以下の神社が知られています。
• 金持神社（鳥取県日野郡日野町）：主祭神として天之常立神を祀っています。
• 高見神社（福岡県北九州市）：主祭神の一柱として天之常立神を祀っています。
• 天河大辨財天社（奈良県吉野郡天川村）：鎮魂殿にて天之常立大神を祀っています。
これらの神社では、天之常立神が主祭神または相殿神として祀られており、参拝を通じてその御神徳に触れることができます。
ご利益と逸話
天之常立神は天地開闢の神として、宇宙の秩序や安定を司る存在とされています。そのため、平穏無事や安定した生活を願う人々から信仰されています。具体的な逸話は少ないものの、その存在自体が天地の根源を象徴し、人々に安心感を与える神として崇められています。
起源とお役割
『古事記』によれば、天地が初めて形成された際、高天原に最初に現れた神々の中に天之常立神が含まれます。この五柱の神々は別天津神と呼ばれ、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神、宇摩志阿斯訶備比古遅神、そして天之常立神が順に現れたとされています。これらの神々は独神として現れ、すぐに身を隠したと伝えられています。
他の神々との関係
天之常立神は、国之常立神と対をなす存在として描かれています。天之常立神が天上の永遠性を象徴するのに対し、国之常立神は地上の永続性を象徴するとされています。また、天之御中主神や高御産巣日神など、他の別天津神とも密接な関係を持ち、天地創造の根源的な神々として位置づけられています。
まとめ
天之常立神は、日本神話における天地開闢の際に現れた神であり、その存在は宇宙の秩序や安定を象徴しています。具体的な逸話は少ないものの、その神格は人々に平穏無事や安定した生活を願う信仰の対象となっています。現代においても、天之常立神を祀る神社を訪れ、その存在に思いを馳せることで、日々の生活に安らぎや安心感を得ることができるでしょう。
